概要:
ペルチェモジュール(TEC1-12706)制御用にモータドライバIC(BD6211F:ローム製)を使用したボードを作成しました。ペルチェへ流す電流のON/OFFと方向を制御します。USBシリアル通信用のCH340Eもつけました。
・部品表
USBコネクタはミニBタイプを使用しています。ピン間が広く手はんだが可能です。
仕様
・モータドライバIC (BD6211)の仕様
VCC 3.0~5.5V, 最大電流 1.0A
FIN端子(制御入力 正) = Highで、OUT1からOUT2へ電流がながれ、ペルチェ容器内は冷却されます。
RIN端子(制御入力 逆)=Highで、OUT2からOUT1へ電流がながれ、ペルチェ容器内は加熱されます。
実験
(https://vabc.hatenadiary.jp/entry/2021/11/10/072129)と同様な実験を行いました。今回はペルチェモジュールへ5V給電しています。
・冷却実験
10分間で、7℃ほど下がりました。ペルチェに流れる電流は電源投入時に980[mA]、その後900[mA]でした。
・加熱実験
10分間で、12℃ほど上がりました。ペルチェに流れる電流は電源投入時に986[mA]、その後800[mA]でした。
・25℃の恒温テスト
室温20℃で加熱を100秒行うと容器内の空気の温度は25℃になりました。
そのままでは25℃を超えてしまうので、RINの線をはずします。容器内の空気は冷めにくいのですが25℃以下になったらまたRINをHighにします。やはり手動制御は大変なのでマイコンを利用していきます。
設計と製造
KiCadで設計しています。手はんだのためチップコンデンサのバッドは、大きめの手はんだ用になっています。KiCadに含まれていない部品のシンボルやフットプリントは、Snap EDAやSamacSysから入手しています。
プリント基板の製造はFusion PCBを利用しています。基板代は13ドルでした。はんだレベラーを鉛フリーとしたため有鉛に比べ1000円ほど高くなりました。送料はOCSで18ドルでした。ガーバーデータを送付してから10日目で自宅に届きました。Fusion PCBのWeb上で製造中の工程が表示されます。また出荷後、中国 深センから日本の自宅まで荷物の現在位置が確認できます。
はんだ付け
0.5mmピッチのICやチップ部品(0603, 1608(メートル法))のはんだ付けは大変ですが、顕微鏡があると何とかなります。また高性能なピンセットやフラックスも有効です。
鉛フリーで上手にはんだ付けするには、
1)熱容量の大きい小手先を使用する。
2)細いはんだを使う。
3)こて先の酸化防止のため、途中で小手台に置く際には小手先にはんだを乗せる。
とすれば良いようです。しかし、いつもはんだを付け過ぎてしまいなかなか上達しません。
下の写真は別の基板ですが、プロの人のはんだ付けです。