60歳からの電子工作ノート

生涯学習として取り組んでいます。

ペルチェモジュール(TEC1-12706)による空気の冷却と加熱

ペルチェモジュール(TEC1-12706)を使用して容器内の空気を冷却加温する実験を行いました。ペルチェモジュールに電流を流すと、熱移動が発生し片面が冷却され片面が加熱されます。電流の向きを逆にすると冷却側と加熱側も逆になります。10分ほどで、容器内の空気の温度を20℃から13℃まで冷却できました。また19℃から28℃まで加熱できました。(室温 21℃、3.3V給電)ペルチェモジュールへ流れる電流は約650mAでした。

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Fig ペルチェ冷却加温容器による空気の温度測定

・構成
ペルチェの冷却にはCPUクーラを利用します。*1 
容器には台所の流し台で使用するごみ受け(銅製)使用しました。
銅は熱伝導率が高いので、容器内の空気の温度(=熱)をペルチェモジュールへ移動させるのに適していると思います。

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Fig 構成

・容器の加工
容器の穴は銅箔テープを巻きます。容器のフタは、発泡スチロールで作成します。容器全体をアルミホイール等で巻き外気と断熱します。CPUクーラ取り付け用に穴を広げます。


・CPUクーラへの取り付け
ペルチェモジュールの両面に熱伝導を高めるCPUグリースを塗り、ペルチェモジュールを容器とCPUクーラで挟み込み、長ネジをボルトで固定します。

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Fig 取付

・電源との接続
DC12 VのACアダプタは、CPUクーラのファンと接続します。

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Fig DC12V 電源用コネクタ(CPUクーラのファン用)

DC3.3VのACアダプタは、ペルチェモジュールと結線します。ここでは、XHコネクタを使用しています。電流の向きを逆にする際にはジャンバー線を使用しました。(右側の写真)

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Fig DC3.3V用電源コネクタ(ペルチェモジュール給電用)

・冷却実験の結果
CPUクーラのファンを起動し、ペルチェモジュールへ3.3V給電します。デジタル温度計TM-902Cを使用して、熱電対を容器に接触させずに測定します。室温は21℃でした。

経過時間[分] 温度[℃] (容器の中の温度) 
0 19.9
1 17.9
2 16.10
3 15
4 14.2
5 13.5
6 13.1
7 12.9
8 12.8
9 12.7
10 12.6

・加温実験の結果
ペルチェモジュールへ流れる電流を逆向きにして、同様な実験を行いました。

経過時間[分] 温度[℃] (容器の中の温度) 
0 19.2
1 21.9
2 23.3
3 24.9
4 26.0
5 26.7
6 27.4
7 27.7
8 27.9
9 28.0
10 28.1

・使用部材

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Fig 部品表

*1:「ペルチェ霧箱」(α線β線を観察する装置)を参考にしています。